現在NOJIで使っている竹は、晒した真竹です。
この「晒した」とは別名:油抜き。
山から切り出した竹に手を加えることが必要です。
薬品で行う方法や、火を使う方法、日光に晒す方法がありますが、
油抜きした竹は、
- 乾燥が簡単になる
- 材質が強くなる
- 虫が付きにくくなる
- 表面にロウ物質が出て、艶がでる
と良い事づくめです。
更に、9~12月(農閑期)に切り出された、3年モノの竹が
虫食いも少なく、加工もし易いと言われます。
つくり手にとって
状態の良い竹に出会えることは幸せで、
割り剥ぎした時の感覚は、何とも言えないものがあります。
また「真竹」は節間も長く、節も低いことから、竹工芸や竹細工に適しています。
真竹の生産量のベスト3に入る、大分県で竹工芸を学び暮らしていた頃は、
竹の種類は余り考えていませんでした。
その意識が変わり始めたのは、長野に来てからになります。
NOJIがあるのは、長野県飯山市。
車を1時間走らせれば、山に真竹が見られますが、
我が家には、
観賞用に植えられたナリヒラダケの一種が、
野生化したと思われるものが群生しています。
(今は雑草扱いで、刈払いしています。)
「豪雪地帯の素敵な環境で育った竹を見て欲しいなぁ」
そんな欲が湧き始めました。
大きくても直径3㎝、節間15㎝~20㎝
いつもの真竹の半分以下のサイズです。
加えて、身竹(内側の繊維質)が脆くて剥ぎにくい。
さらに、幅が3mm以上だとヒゴの両端がカミソリ状態に。
タケ・ササ図鑑に「細工には向かない」と書かれていた理由が良くわかりました。
剥ぎっぱなしで、取り合えず1つカゴを作りました。
さて、どうしよう。
最近作ったものは、小さな花かご。
ヒゴ幅1.2mm、厚0.4mm
このサイズなら、カミソリにならず、身竹の脆さもさほど気になりません。
火で油抜きをした所、真竹よりもマットな感じです。
油抜き前の色のグラデーションが、僅かに残っていて
素朴で美しく仕上がりました。
油抜きの方法で、色艶が変わる等、
まだまだ課題だらけで
しばらく実験が続きそうですが、
身近にある竹の良さを引き出す方法と技術を見つけたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました☆
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